最近の高尾山は外国からの観光客でとても賑わっていると聞いていたが、平日の早朝のためか高尾山口駅前も人はまばら。普段はロサンゼルス近郊の乾燥した野山を走っているが、今回は姪っ子の結婚式出席のため一時帰国。この機会を利用して以前から一度は走りたいと思っていた高尾山に。


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(高尾山頂行きのケーブルカーの発着駅)

月下旬、日中はかなり暑くなることが予想されるので始発電車に乗り、途中乗り換え二回、一時間半ほどかけて京王線の高尾山口駅到着。


周りには、何度も通っていると思われるベテランの登山客が数名。私はといえば、幼少の頃に来たことはあるものの、殆ど記憶は無く始めて同様。事前に調べたのは高尾山から陣馬山までの距離が30km弱という事と、稲荷山コースがお勧めということのみ。
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(いたる所に近郊の観光名所やハイキングコースを記した地図がありとても便利)

先ずは、駅前の地図でざっとルートの確認。途中で道に迷わない様に、念のため地図の写真を一枚。持ってきた二つのボトルに水を入れ、7時少し前にいざ出発。

稲荷山コースに一歩足を踏み入れると、ひんやりとした空気が漂い、山自体が信仰の対象であることも頷ける。トレイルも神秘的な雰囲気があり別世界への入り口のよう。

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(根が地表に浮き出したトレイルは走り難いが、神秘的な雰囲気を醸し出す)

始めの数分は勾配がきつく息が上る。30数分掛けて高尾山頂でま一気に駆け上がり、何か少し口にしようかと思いきや店は未だ開いていない。残念。
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(朝早いので未だ人影の無い高尾山頂) 


今一度、行程と所要時間を確認。高尾山頂から陣馬山までハイキングでは、片道約5時間。

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(高尾山頂から裏高尾のそれぞれの頂までの所要時間。どの山も馴染みの無い名前)

高尾山頂を後にすると、もみじ台、一丁平、小仏城山、景信山、明王峠と続く。
ルートは良く整備されているが階段が多く若干走り難い。コース表示は明確で所々、頂のピークを通るルートと巻き道とに分かれる箇所があるが、これらも分かり易く記されている。一旦別れても再び合流するので迷う心配はなさそう。

急な勾配は無く、適度なアップダウンの繰り返し。途中には茶屋が幾つかあるが、どれも営業しておらず、中には廃墟の様になっている所もある。営業を止めてから随分時間が経っている様子で、ここでも食事にありつけず、またもや残念。目的地の陣馬山には茶屋があると聞いているので蕎麦かウドンでも食べるのを楽しみに走り続ける。

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(途中の上り下りはこんな感じ。米国仕様のガーミンのためフィート表示で分かり難くてスミマセン)

ルートは快適ではあるが難を言えば階段が多いという印象。とは言え乾燥した台地が広がる南カリフォルニアと比べ、緑豊かなトレイルはとても気持ちがいい。気温も未だ低く、景観を楽しみながら快適に走ること
2時間半程度で陣馬山到着。
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(ちなみに、普段走っているロサンゼルス郊外のトレイルはこんな感じ。極度に乾燥した台地が広がる。カリフォルニアは冬が雨季。雨が降り出すと、この茶色の大地が緑色へと変わる)


アメリカでのトレランの様子はこちらを:


灼熱のグランドキャニオン横断トレイルラン
http://nick-d.blog.jp/https:/lumina-magazine.com/archives/news/7531

雨のアリゾナ100km

http://nick-d.blog.jp/archives/12017495.html


 

開けた山頂からは、ほぼ360度のパノラマが楽しめ、遠くの峰々が一望できる。富士山も望めると聞いていたが、残念ながら今日は見えない

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(陣馬山頂のオブジェ。晴れてはいるが、遠方は薄っすらと雲がかかり富士山は見えない)

楽しみにしていた蕎麦屋はと、辺りを見回すも、匂いも無ければ店の姿もない。これまた、途中の峠同様に店じまいした様な小屋が幾つかあるだけ。願わくば冷えたビールに天ぷら蕎麦と、都合のいい事を考え、ここまで走ってきただけに、落胆は大きい。トホホ。

残念ながら冷えたビールは高尾山口駅前までお預け。幸い、おにぎりを持参してきたので空腹に苦しまないですむものの、思い描いていた天ぷら蕎麦には程遠い・・・


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(今回の走行ルート。同じく米国仕様のため、距離はマイル表示。1マイル=1.6km)
 

これから高尾山へ向かうという老夫婦のハイカーと、おにぎりを食べながらしばし歓談の後、気を取り直して一路、高尾山を目指す。午前中とはいえ月。日差しが強くなって来るが途中、水を補給する場所には事欠かない。相変わらず、階段は走り難い。


途中、何人かのランナーやハイカーとすれ違うが、聞いていたような渋滞は全く無く、とても快適。

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(途中、ぬかるんだ所もあるが、それほど気にはならない)

一旦、高尾山頂を超え、再び稲荷山コースに入ると往路とは異なり、上りの登山客が大分目に付くようになる。それでも走るのに苦労するほどでもない。道は多少ぬかるんでいるが、雨の多いこの時期、緑は色濃く目に映るものが美しい


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(ケーブルカー乗り場前の広場にて)

スタートしてから約時間、28kmの高尾山~陣馬山トレイルを無事完走。。日本でトレイルを走るのは今回が始めて。初トレイルが極めて日本的な高尾山周辺で、天候にも恵まれ大満足。ちょうど時間は昼食時。ロサンゼルスであれば、ファストフードでの昼食となるが、ここは日本。ケーブルカー乗り場の直ぐ前で一番最初に目に付いた蕎麦屋に直行。注文は、当然ビールと天ざる。やっぱり日本はいい。

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(マイル、フィート表示で分かり難いが、今回の走行距離と高度差)

往復距離:
17.31マイル(27.7km

走行時間:5時間18分(途中の食事時間を含む)

獲得標高:4,826フィート(約1,600m


ワンポイントアドバイス


1.途中の栄養補給

後にネットでのコメントを見ると、多くの人は途中の茶屋を利用しているようですが、今回のように営業していない場合もあります。往復で30km近い距離になりますので、途中の栄養補給無しで走りきるのは極めて困難。万が一に備えてエナジーバーやジェルなど、最低限の栄養補給食を持参することをお勧めします。
 

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2.帰りのルート

今回は事前スタディーをあまりしていなかったため、往復ともに稲荷山コースを通りました。正直、かなり後悔しています。次はいつ来れるか分からないので、高尾山頂からの帰路は異なったルートを使えばよかったなぁと。四号路から一号路を通るルートだと途中、仏舎利塔、浄心門、金比羅台などもあるようです。行ったことが無いので、なんともいえませんが、私の様に「あ~折角だから行っておけばよかった」と後悔しないように、事前に少し下調べをしてからルートを決められることをお勧めします。

 
By Nick D