ワイルドフラワー・トライアスロンは、トライアスロンを主としたアウトドアスポーツの祭典。様々な距離のロードのトライアスロンを始め、オフロードトライアスロン、トレイルラン、オープンウォータースイム、SUPなど、様々なスポーツ競技が毎年5月の一週目の週末に、3日間にわたって繰り広げられる。会場となるのはロサンゼルスの北、400kmほどの所に位置するサンアントニオ・レイク。3日間、野外コンサート、地元ビールのビアーガーデン、ワインテイスティングなど、様々なイベントがあり、参加者の多くは、テントでキャンプをして過ごす。60年代の伝説の野外コンサートに因んでトライアスロンのウッドストックとも呼ばれている。とは言うものの、それが何を意味するかは申し込みの時点では、知るすべも無い。

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イチゴ畑でトライアスロンデビューをし、初戦、
2戦目とローカルの小規模なレースを何とか凌いだ私が、3度目のレースに選んだのは、ワイルドフラワーのロングコース。ハーフ・アイアンマンとも呼ばれる、スイム2km、バイク90km、ラン21kmの大会最長の距離。前回から距離を二倍に伸ばしての挑戦。幸い、海でのスイムは無いので、距離は長いながら気分的にはかなり楽。さっそく5月のレースに標準を合わせてトレーニングを始める。


(過去のとても格好いいとは言えないレースの様子はこちらにて)

http://nick-d.blog.jp/archives/13128558.html

 

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湖の横に設置されたバイクステーション

スイム、バイク、ランとも順調にトレーニングを重ねていた
12月のある日、バイクでノロノロ走行中に、なんと立ちゴケし左手を負傷。親指の周りがかなり腫上がり痛みも伴ったが、そのままバイクに乗り続け、翌日以降もテーピングをしトレーニングを継続した。一ヶ月経っても痛みが引かない。止む無く専門医のアポを試みるが、アポが取れたのは更に一ヵ月後の2月。アメリカの医者は命に関わるものでなければ、いつもこんな感じ。立ちゴケから2ヶ月して漸く医者に行くと、「Oh, it doesn't look good. あー、これはまずいねー」と何やら雲行きが怪しい。

 

レントゲンを撮った結果、左手親指の第一関節部分の骨折。更に手当てせずに放置したため、折れた部分が歪んでくっ付いてしまっている。不自然にくっついた部分を分離し、ボルト止めをする手術が必要。しかも、骨折した部位が極端に小さいため、かなり困難な手術になるとの事。当初は突き指程度と思っていたものが、随分と大袈裟な話になり、困惑は隠せない。


ドクター曰く、手術後、完治までには最低一ヶ月を要し、その間は当然スイムもバイクも不可で練習どころではない。レースまで
3ヶ月と迫っていたため、手術を5月中旬以降まで伸ばせるか尋ねると、「これ以上は悪くならないよ。あなたの手なんだから自分で決めなさい」との突き放したようなコメント。全ては自己責任のお国柄。親指は相変わらずあまり動かないものの、既に2ヶ月が経ち痛みは特に無いので、即座に手術延期を決めて練習を継続する決断をした。

 

その後、順調に練習を続け、良い仕上がり具合で、満を持してレースの週末を迎える。家族一同キャンプ好きなので、何時ものように家族4人と愛犬のブラウニーを連れて出発。午後早い時間に現地入りし、先ずはキャンプサイト確保。
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特に決まったキャンプサイトも無く、皆好き勝手にテントを張る

その後、レースのチェックインをし、ゼッケンやタイミングチップ、年齢ごとに異なった色のスイムキャップなどをピックアップ。野外コンサートもあり、辺りはお祭りムードでいっぱいだ。

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音楽を聴いて、食事をして、うす暗くなりかけた頃キャンプサイトに戻ると、周りが何だか騒々しい。キョロキョロしていると、裸の集団が・・・
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夕刻、裸集団がジョギング。毎年恒例の行事らしい
 

辺りにはマリワナの匂いも。今更ながらウッドストックと呼ばれる意味が分かった。言い換えれば、ヒッピーによるトライアスロンの祭典。それにしては、全体的には若者の姿が多いながら、私たちのような家族連れも少なくない。かつてのヒッピーが大人になって、子供連れで参加しているということだろうか?なかなか面白い大会である。

 
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遠くに見える赤いアーチがスイムのスタート。2km泳いで、またここに戻ってくる
 

騒ぎ立てる声は一晩中続き、あまり眠れないまま翌日を迎えた。一方レースはというと、親指骨折を物ともせず、トレーニングした甲斐あり、無事に初のロングコースであるスイム2km、バイク90km、ラン21kmを目標時間の8時間を切る、7時間39分にて完走。沿道ではクレージーな若者達が裸で踊っていたり、奇声を上げたりで始終お祭り騒ぎ。デビュー戦のよう溺れる恐怖に晒される事も無く、2度目のようにバイクで泣きが入る事も無く、3度目にして始めて始終レースを楽しむことが出来、大満足の結果となった。

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レースの一週間後、先延ばしにしていた手術の相談をするべく再度、例の医者を訪問した。改めてレントゲンを取り、詳細にわたる検査をした結果、医者の口から出た言葉は・・・「もう治ってるから、手術しないでいいよ」と驚きのコメント。不自然にくっ付いた骨や、ボルト固定は何だったんだ~。

結局親指は、稼動範囲も元に戻り全く問題なし、今では骨折したことさえ忘れてしまうほど。専門医と呼ばれる医者の診断も、全くいい加減なものである。

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レース後、自慢げにワイルドフラワーのロゴの入ったバイク・ウェアーを着て、近所でトレーニングしていると、流石に有名な大会だけあり、通りすがりのトライアスリートから「格好いいウェアーだね」とか、「ワイルドフラワー出たの?」と、幾度と無く声を掛けられた。デビュー戦、2戦目ともに、惨めな思いをしただけに、ここに来て漸く念願のトライアスリートになれたようで、一人バイクのペダルを漕ぎながらニンマリ。

さて、次なる目標は・・・アイアンマン?
第4話はコチラから

 

ワンポイントアドヴァイス

1.ワイルドフラワー、是非お試しあれ

幾つものレースに出ましたが、ワイルドフラワーは特別な存在。いたる所お祭ムードでとても楽しい大会ですので、機会があれば是非、参加してみてください。詳細はこちら

https://www.wildflowerexperience.com/

 

2.ウェットスーツ着用のルール

今回のレース、当日になって水温が高いのでウェットスーツは着用不可とのアナウンスがあり、スイムが極めて苦手な私は焦りまくり。よくよく聞いてみると、それほど酷な話ではなく、素人は着用OKということで一安心。

米国のトライアスロンの取り纏めをする
USA Triathlon (USAT)やアイアンマンの大会では、それぞれウェットスーツの仕様とあわせて、着用可能な水温に関するにルールがあります。ルールはプロや入賞を狙うアスリートと、エイジグループのアスリートでは異なったものが適用となります。例えば、USATでは、プロは25.5度以下で、エイジグループは29度まではスーツ着用可。アイアンマン大会では、若干下がりますが、それでも、プロ24.5度、エイジグループ28.8度なっております。拠って、よっぽど水温が高くなければエイジグループではウェットスーツを使うことが出来ます。と言うことで、当日の急なアナウンスにもパニックる必要なし、ご安心を。
 

By Nick D